曲解説


Solo Album「LOOK TO THE SKY」

Meke Blieve

この楽曲はウクレレとアコギと声のみでわりと静かに始まるけど、徐々にストリングスやエフェクトが入ってきて盛り上がっていく。
テンポ感もあるし、この曲なら、後にすごく静かな楽曲が来ても、壮大でノリのある楽曲が来ても、どちらにでも持っていける気がしたので、アルバムのオープニング・トラックにふさわしいと思った。

Summer Days

昔は作曲を全てアコースティック・ギターで行い、それをスタジオに持って行ってアレンジしていたのだけれど、この楽曲はスタジオでの作業から始まったんだ。
シンセやドラム・マシーンを入れることで単純に″アコースティック・アルバム″という概念から外れた別世界に連れて行ってくれるところがこの楽曲の魅力。
そういったアレンジにすることによって、普段とはちょっと違う風にヴォーカルを処理したし、このアルバムの多面性と実験性を表していると思う。

To Who Knows Where

この楽曲は今作の中でもかなり昔、4、5年前に作った曲。リフも好きだし、雰囲気に富んだ感じのロック・ナンバーだと思う。
″ロック″と言ってもディストーションの効いた激しいギター・サウンドではなく、塞ぎこんでいて悲しげなロックだね。僕はそういう類のロックが好み。
プロダクション的にはすごく広がったり、ドライリヴァーブを利かせている部分とそれらをカットしている部分に大きな差をつけてメリハリを生み出した。
あと、サビにはフィードバックのノイズがずっと乗っかっている。とにかく僕が個人的にロックのナンバーから求める要素の全てを詰め込んでいる。

Till Nest Tuesday

この歌詞は、1つのストーリーというより、いろんな風景や発想が流れている感じ。考えの連動みたいなもの。
自分のうちに籠りすぎて、自分の頭の中から離れられないような状態を描いている。
あと、この曲ではニーナとニール・カサールが共にバック・ヴォーカルを歌っている。ニールは僕の1stにも参加したし、とても良いシンガー・ソングライターなんだ。
彼はどんな曲にも楽器や歌を合わせられるから非常に心強いミュージシャン。プロダクションに関しては、自分なりに洗練されたポップ感を目指した。

Dream Tonight

この楽曲は、静けさを保ちながらも壮大なスケール感を持ったものにしたかった。
普段、映画のサウンドトラックを作っているネイサンがストリングスのアレンジを担当したから、映画的な雰囲気は間違いなくあるね。
この曲のストリングスのアレンジは音楽的に本当に複雑で高度なものだから、大きな聴きがいがある。この楽曲から滲み出る壮大さと暗さはそのストリングスによるものだと思う。
映画のような視覚的な場面を想像しながら曲を作ることはあなりないけど、このアルバムでは″空″や″星″などの言葉をよく使っている。それは最終的にアルバム・タイトルを決める時にも改めて感じた。
どこを歩いていても、空を見上げれば壮大で無限な″何か″があって、自分がちっぽけに感じる。その感情とドラマをこの曲、そしてこのアルバム全体を通して表したいという想いはあったかもしれない。

Dark Star

カリンバを買ってみて、それで遊んでいたらこの曲が自然とできた。
プロダクションは「Dream Tonight」と似ていて、正に映画的なムードが漂っている。
この曲はネイサンも作詞に関わっていて、夜のドラマと感情を喩えていて、それは始まりも終わりもなく、一瞬一瞬の連動でしかないというようなことを歌っているんだ。

Appetite

この楽曲はムードとアティテュード満載のナンバーで、アルバムの中でもかなり際立っている。
個人的には所謂(いわゆる)キャバレー音楽に近いものを感じているんだ。
ピアノには実は70年代のデヴィッド・ボウイの作品でよく鍵盤を弾いていた、マイク・ガーソンが参加していて、彼が得意とするクレイジーで強烈な演奏をしている。
また、ギターには元テレヴィジョンのトム・ヴァーレインが参加していて、その2人の音楽的な縞の削ち合いみたいな感じになっているんだ。
その下に不思議なキャバレーっぽいビートがひたすらリズムを刻んでいて、すごく面白い仕上がりになっている。
喩えればそれは闇の世界にいるような人。特定できる1人の人間ではないけど、実在する何人かの人物がこの歌詞の元になっているんだ。

Gemini

この作品は人生の中で、急にすごく嬉しい出来事が訪れてはまた去っていく、その繰り返しの様子を歌っている。
今作は僕にとって14年ぶりのソロ・アルバムになるわけだけれど、実は1stを出した後、楽曲をずっと書き続けていたものの、似たような曲しか出てこなかった時期が暫くあった。
でも、僕自身2ndは絶対に新鮮で1stとは異なる魅力を持った作品にしたかったから、自分の進化が感じられる曲を作れるようになるまで大分時間がかかったんだ。
この楽曲も「To Who Knows Where」同様、4、5年前に作ったのもので、2ndに気持ちを向けられるようになった大きなきっかけになった曲だったかもしれない。
とにかく自分で曲を作っていて新鮮な刺激を受けたんだ。同時期に作った「Dream Tonight」も然り。

Waves

実はこの楽曲は「Speed Of Love」のインストゥルメンタル イントロのつもりで、そのベース・ラインを元にして作り始めたんだ。
けれども、そのフレーズをあまりにも好きになってしまったので、後で歌詞とメロディーを付け足し、最終的に1つの楽曲が出来上がった。

Speed Of Love

アルバムの中で最もポップ・ソングに近い。このナンバーはプロダクションも豪華だし、歌詞の内容もわりとストレートにロマンティック、わかり易いラヴ・ソングだよね。

4th Of July

アメリカ映画に描かれるような、田舎から家出して来たカップルが結局破滅するという物語の一切れ。
そういう悲劇的な運命を共にした2人のラヴ・ストーリー。
その物語を7月4日(アメリカ独立記念日)に毎年やる恒例の花火の風景と結びつけたら良いんじゃないかと思った。花火を眺めながらそのカップルが抱いている期待や願望・・・を表している曲なんだ。



Blew Away

☆「パイシーズ・イスカリオット」ライナー・ノーツより、ビリーによるコメント。
『この曲を書いたのはあの男だ。ようこそ、james。
静かで、クールで、囁きのようで最高に美しい。
これまでに書いてきた中で唯一僕が手を出さなかった歌。そして、そうしなくてよかったと思っている。
「Blue」と言う曲と混同しないように。♪'And if you love her...'』by Billy Corgan.

The Boy

これは、パワー-ポップJazzmasterのNew Waveサウンド。
僕はとてもかっこいいネックの反った60年後半のJazzmasterを持っているんだ。実際の演奏には適さないけどね。
奇妙なギターとドラムのブレイクが曲の中央にあるだろ。
フレッドはこの曲が好きなんだ。でも、これはアルバム向きじゃないね。

...said sadly

この曲のレコーディングは楽しかった。
これはカントリー風のデュエット・ソングなんだ。
アルバムのためのレコーディングを終えて、僕の友達のニーナ・ゴードン(Veruca Salt)に歌わせた。
彼女は、大きいトーンの声とキャラクターを持っているんだ。
スライド・ギターは Derek & the Dominoes、クラレンス・ホワイト、 the ByrdsとAllman Brothersのスタイル。
ほとんどが1または2テイクでできた曲。
MXRというフェイザーとレスポールでクリーンなサウンドを出しているんだ。
レスポール・スライド・ギターは歌にロマンチックな音を与えるね。

a night like this

これは僕の大好きなCureの歌の1曲。
でも、カバーをする際に何かを変えようとしたんだ。
異なるドラムで各パーツを作り、アコーステック挽歌で全体的にスローな歌にした。
また、チェロがゴシックな感じを与えるだろ。
若干Big MuffとNeil Youngとクレージーホースのリズム・ギターの性質をもったロックなんだ。

The Bells

2または3年前「The Bells」を書いた、それぞれのパーツは6、7ヶ月かけてレコーディングしたんだ。
でも本当の目的は、デモを保持していたんだ。
僕の古いアパートでアコースティックギターを録音した。
それから、僕の地階でEric Remschneiderのチェロ部分をレコーディングした。
それから、シングルのために、僕のもう一人の友人、アダム・シュレジンガー(アイビー)がピアノを弾いてくれた。
そして、ダーシーとボーカルをしたんだ。
非常に単純なんだけど、ソフトなニック・ドレーク・スタイルで、サインする時ねじ曲げなくてはならないんだ。

Believe

アルバムのための録音されるもう一つの歌だった。
熱望、落ち込み、悲しみ・・・いろいろ気分が滅入っていた時に書いた詩なんだ。
始めのギターは、ギブソンJ-100XTRA(それは大きい、全開の音を得た)で演奏される音はワイドでクリーンなエレキギターで、スパークするんだ。
2本のベースギター・トラックがまた、大部分の歌の上にある。
そして、質店で低音のエピフォン・ベースが100ドルで買った。
「サイアミーズ・ドリーム」でもかなり演奏したよ。
トラック上はワンコードで、ルーツノートにウエイトを置いているんだ。


Solo Album「Let It Come Down」
Be Strong Now

僕は、非常に自分に自信がもてなくて、自分の意見を述べることはできないような少女について歌を書いた。
彼女が信頼することができる誰かが見つかったならば、彼女がどう変わるだろうと想像してみたんだ。

Sound Of Love

音楽的に、そして、叙情詩的に、この歌の中心はギターイントロと"The sound of love is oceans far away."のフレーズが膨らんだ曲。
完成したら、欲望と見つからない何かへの憧れの曲になっていた。

Beauty

僕は何カ月もこの歌に取り組んだ。3曲の異なる歌ができそうな断片的な曲で1つにまとめるのは不可能かと思えた。
僕はマットとアダムのためにそれをアコースティックギターで演奏した。
そして、彼らはすごくいいよ!と言うので、最後まで仕上げたら叙事詩的なサウンドになった。

See The Sun

僕はアコースティックギターで大部分のこのアルバムを書いた。
しかし、僕は「アンプラグト」アルバムではあって欲しくなかった。
僕が目指したのはアコースティックギターとエレクトリック・サウンドの融合、そして、普遍のクオリティを持たせるためのアレンジ。
そうしたものが成功した見本のような曲。
この歌は、僕にとって1番自然な低音域の声で歌われていて、息遣いが感じられるように盛り上がるから。

Country Girl

これは僕が実験し始めた最初の歌のうちの1曲。そして、それは全開の音になったんだ。
リアルなボーカルと、ノスタルジックでナイーブで素朴な愛の歌だよ。

Jealousy

ある日、ミキシングの合い間、、グレッグと僕がつくったfirst-takeのギター・パートのテープをいくつか引っぱり出して聴いたんだ。
歌のイントロをいっせいにかけたら、ゆったりしたジャムのような感触を与えた。
そして、それをよりエレクトリックで盛り上げるようにできたんだ。
それは、幸福なアクシデントだった。

One And Two

この歌は、前のパンプキンズ用に書いたんだ。
これは本当に壊れやすい音を持ってる。まるで束縛されたものが解き放たれていくような感覚があると思う。
それは手紙の読むようにか、誰かがあなたの耳にささやいている感じが欲しかったんだ。

Lover,Lover

僕たちは理解し合ってる唯一の2人であると、「全世界を敵にまわしても」愛し合う恋人同士のロマンチック賛歌。
ニール・ヤングHarvest的感じに、シンプルなアコースティック・ギターにストレートなドラムを打って。
そこに、ストリングスとニールのハーモニーを加えてみた。

Silver String

オープニング・チューンで書いた、もうひとつの曲。
僕は愛する人がいることを公に話さなければならなかった。愛情の率直な宣言だね。
私は本当にバラードが好きなんだ。Boyz 2Menによる「Four Seasons of Change'Change」なんかも。
トラデショナル・ロック・バラードでカントリーな感じを持った曲を書こうとしたんだ。
アダムは見事なピアノ・トラックを演じた、そして、ストリングスはフィル・スペクター風。
そこにキース・リチャーズ-スタイルのカントリー・テイストが入っているのでストレートなバラードにならなかったんだ。

Winter

昔の歌。
エイト・トラックのテープから、24-トラックに落して、それを基にして作り始めた。
この歌は2つのパートを持っている。
始めは浮遊感の雰囲気あるセクションで、しだいに急上昇するアコースティック・ゴスペル・ソングになるんだ。

No One's Gonna Hart You

アルバムはこの歌で終わるのがいいと思ったんだ。
僕はいままでたくさんの恋愛関係の曲を書いてるけど、これには全てのものが集まっている。
ペダル、スチール、ストリングス、ハーモニー・・・。
詩に、このアルバムのテーマである愛と信念について要約しているよ。